「人の言うことを聞くべからず」+

坂本晶と申します。はてなでは「坂本晶の『人の言うことを聞くべからず』」をやっています。こちらはサブブログとして、古代史、神話を中心に扱っていきます。『水瓶座の女』という小説を、太陽出版から販売しております。読んで頂けたら嬉しいです。

ヤマトタケルは開化天皇である(21)~大山咋は丹波勢力に挿入された出雲の神

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日吉大社東本宮 大山咋を祀る

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓

sakamotoakiraf.hateblo.jp

大年神系譜は、大国主スクナビコナの物語と、大国主の国譲りの物語の間に挿入されている。
古事記』の神々の系図はほとんど意味がわからないが、無意味な系図が『古事記』に収録されているはずがないと考えるなら、大年神系譜も、その意味を考えなければならない。
まず考えなければならないのは、時間軸の不自然さである。スサノオの子孫である大国主の物語が終わった後に、スサノオの子の大年神系譜がある。
次に、ストーリー上の無意味さを考えなければならない。このことは時間軸の不自然さとも関連する。この無意味な系譜を収録した『古事記』編纂者の意図は、一見無意味に見える大年神系譜こそ、『古事記』を編纂した勢力、つまり出雲勢力にとって重要なものであると考えべきである。

ヤマトタケルは開化天皇である⑱~ヤマトタケルは大国主である - 「人の言うことを聞くべからず」+

で述べたように、スサノオから大国主までの系図は、出雲勢力の中に丹波勢力の人物を挿入する目的で作られたものだった。
ならば大年神系譜は、丹波勢力の系図に出雲勢力の人物を挿入する目的で作られた系譜ではないかと考えることができる。実際にそうか検討してみよう。

まず、大年神、御年神は「年神」と呼ばれ、穀霊であるとされる。大年神の妹のウカノミタマも穀霊である。
また大年神の子のハヤマトノカミの配偶者のオオゲツヒメも穀霊である。
そして前回は紹介しなかったが、大年神の子には韓神(カラノカミ)、曾富理神(ソホリノカミ)といった朝鮮系の神々がいる。新羅系の丹波勢力を暗示するものだろう。

次に、ハヤマトノカミとオオゲツヒメの婚姻関係を見ると、二神の間に若山咋と若年神が生まれている。
名前からみれば、これはおかしいだろう。若山咋は大山咋の子であるべきだし、若年神は御年神の子であるべきである。
ならばハヤマトノカミとは、大山咋と御年神を習合した存在であり、大山咋と御年神の子を兄弟にする作為だといえる。
大年神系譜は、大年神と御年神が軸となるべきなので、系譜に挿入されたのは大山咋である。

ヤマトタケルは開化天皇である⑳~穀霊の名のと「豊」は近親婚の証し - 「人の言うことを聞くべからず」+

で見たように、大山咋は日吉大社松尾大社祭神であり、「鳴鏑の神」と記載されている。鳴鏑とは鏑矢のことで、矢に蕪に穴をいくつか空けたようなものを付けたものである。鏑矢は放つと大きな音がすることから、雷神の依代とされる。
しかし、私はこれを疑う。『古事記』は黄泉の国のイザナミを除いて、雷神の記述がない。その理由は『古事記』を編纂した勢力、つまり出雲勢力が雷神の家系ではないからだろう。雷神の家系は丹波勢力の方であり、大山咋が「鳴鏑の神」とされたのは、本来雷神でない大山咋を雷神に擬するためだと私は考えている。
大山咋については、後々また述べるとしよう。
前回、奥津比売が推古天皇だと述べたので、推古天皇と関係する聖徳太子について述べる。


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