「人の言うことを聞くべからず」+

坂本晶と申します。はてなでは「坂本晶の『人の言うことを聞くべからず』」をやっています。こちらはサブブログとして、古代史、神話を中心に扱っていきます。『水瓶座の女』という小説を、太陽出版から販売しております。読んで頂けたら嬉しいです。

ヤマトタケルは開化天皇である(63)~「おれ」は「お前」か?

1~50を読みたい人はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp大国主神は、須佐之男命の髪の虱を取っている時に、須佐之男命が眠ってしまった隙をついて逃げ出す。その後須佐之男命が気づいて後を追うくだりを見てみよう。かれここに、黄泉比良坂に追ひ至りて、遥に…

ヤマトタケルは開化天皇である(62)~倭健命は熊曾健か?

1~50を読みたい人はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』の倭健命の熊曾征討を見てみよう。 読み下し文①。 天皇、小碓命に詔りたまはく、「何とかも汝の兄は朝夕の大御食に参出来ざる。専ら汝ねぎ教え諭せ」とのりたまひき。かく詔りたまひて以後、…

ヤマトタケルは開化天皇である(61)~須佐之男命は大国主神になったのか?

1~50を読みたい人はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp大国主神の神話の、沼河比売のくだりを見てみよう。八千矛神(大国主神)が沼河比売を夜這いした後からである。 またその神の嫡后須勢理毘売命、いたく嫉妬したまひき。かれ、そのひこぢ(夫)の神わび…

ヤマトタケルは開化天皇である(60)~丹波系は「僕」、出雲系は「吾」

1~50を読みたい人はコチラ↓ sakamotoakiraf.hateblo.jp 『古事記』では、丹波系と出雲系は一人称が違う。 丹波系の一人称は「僕」、出雲系は「吾」であり、どちらも「あ」、「あれ」と読む。丹波、出雲どちらか明確にしたくない場合は「我」を用いる。 他に…

ヤマトタケルは開化天皇である(59)~文脈で主語を判断してはいけない。

1~50を読みたい人はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp日本語は主語がなくとも意味が通じる。それは文脈で主語を判断しているからだ。 しかし『古事記』において、主語は文脈によって判断してはいけない。『古事記』を読む場合、文章の主語が抜けている時は…

ヤマトタケルは開化天皇である(58)~健内宿禰は女である。

1~50を読みたい人はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』仁徳天皇の条で、また一時、天皇豊楽したまはむとして、日女島に幸行しし時、その島に雁卵を生みき。ここに健内宿禰命を召して、歌を以ちて雁の卵を生みし状を問ひたまひき。その歌に曰りたま…

ヤマトタケルは開化天皇である(57)~「子」は親子関係の否定

『古事記』開化天皇の条に登場する、開化天皇の子の日子坐王が春日の健国勝戸売の娘、沙本之大闇見戸売を娶って沙本毘古王、袁耶本王、沙本毘売命、室毘古王が生まれる。 うち袁耶本王は、「葛野之別、近淡海蚊野之別之祖なり」とあり、「之」と「別」で二重…

ヤマトタケルは開化天皇である(56)~「忍」と「押」と「弉」

1~50を読みたい人はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』仁徳天皇の条の后妃子女の記述には、履中天皇は大江之伊耶本和気命とあり、その後「かれ、伊耶本和気命は天の下治らしめしき。」とある。 この場合、「之」が何を否定しているかが重要である…

ヤマトタケルは開化天皇である(55)~「別」と「和気」

「和気」は「別」と同音であり、「別」が丹波系と否定を意味するならば、「和気」は出雲系を意味する字である。 『古事記』垂任天皇の条の后妃子女の記述を見てみよう。 この天皇、沙本毘古命の妹、佐波遅比売を娶って生みましし御子、品牟都和気命。 とある…

ヤマトタケルは開化天皇である(54)~「迦」と「訶」、健は出雲系

1~50を読みたい人はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』景行天皇の条の后妃子女の記述には、また倭健命の曾孫、名は須売伊呂大中日子の女、訶具漏比売を娶して生みましし御子、大枝王。 とある。 もう一度、ヤマトタケルの系譜を見ていこう。かれ、…

ヤマトタケルは開化天皇である 目次1~50

1~50までの目次を作りました。ページをめくる手間が省けると思います。ご利用下さい。ヤマトタケルは開化天皇である①~ヤマトタケルは開化天皇の代の人物 - 「人の言うことを聞くべからず」+ヤマトタケルは開化天皇である②~日本のオイディプス - 「人の言…

ヤマトタケルは開化天皇である(53)~「都」も否定、葛城長江曾都毘古と石之日売

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』の国生み神話で、伊伎(壱岐)島を天比登都柱という。 丹波系と出雲系の区別のひとつは、丹波系が「天之~」で、出雲系が「天~」と表記されていることだが、天比登都柱は「天之…

ヤマトタケルは開化天皇である(52)丹波系は国つ神

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp大町阿礼さん 前回述べた誉田陵ですが、『古事記』には「御陵は川内の恵賀の裳伏崗にあり」とありますが、『書紀』には応神天皇の埋葬記事が一切ありません。したがって『書紀』の誉田陵は…

ヤマトタケルは開化天皇である(51)~「之」も否定、「イリ王朝」は出雲系

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp大町阿礼さん 『北円堂の秘密』興味深く読ませて頂きました。気になったところを何回かに分けて述べていきたいと思います。 藤原不平等が壬申の乱の際に田辺史のところに預けられていたと…

ヤマトタケルは開化天皇である(50)~「速」「別」は否定の意味

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』仲哀天皇の条にはこのようにある。 かれ、健内宿禰命、その太子を率て、禊せむとして淡海(あふみ、近江のこと)また若狭国を経歴し時、高志の前の角鹿(敦賀)に仮宮を造りて坐…

ヤマトタケルは開化天皇である(49)~仁徳朝は虚構である(追記あり)

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』の応神天皇の后妃、子女はこのように記載されている。この天皇、品陀真若王の女、三柱の女王を娶したまひき。一の名は高木之入日売命、次に中日売命、次に弟日売。(この女王等…

ヤマトタケルは開化天皇である(48)~『古事記での丹波、出雲の見分け方②

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp更新のために書いている直前で気付いたことがあり、考えていたことが破綻したのだが、書けるところまで書こう。カグツチの名前について、『古事記』の記述を見てみよう。次に火之夜芸速男…

ヤマトタケルは開化天皇である(47)~アマテラスとスサノオの誓約のカラクリ

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp前回述べたヒコホホデミについて語るには、なぜ私が『古事記』の丹波系と出雲系の区別に気づいたのかを語るのがいいだろう。結論を先に述べれば、ヒコホホデミを丹波系とした見解とは逆に…

ヤマトタケルは開化天皇である(46)~『古事記』での丹波、出雲の見分け方

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jpヤマトタケルは開化天皇である(44)~訂正②天照大神は出雲の神である。 - 「人の言うことを聞くべからず」+で、延烏郎が西暦158年に新羅からきたと主張する必要が無くなった以上、ヤマト…

読者の皆様へのお願い

私は現在、『古事記』『日本書紀』『先代旧事本紀』『風土記』を使って、古代史、神話を研究しています。 そのうち『古事記』は原文付きですが、他は全部現代語訳です。最近は原文の重要性を感じて、岩波文庫の『日本書紀』の原文を買い揃えていますが、貧乏…

ヤマトタケルは開化天皇である(45)=迷惑なヒコホホデミ

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jpヒコホホデミが吉備品遅部雄鮒であり、目弱王であり、顕宗天皇であるというのが私の主張である。 今後、このヒコホホデミの話をしていくが、その前に、ヒコホホデミが丹波、出雲いずれの勢…

ヤマトタケルは開化天皇である(44)~訂正②天照大神は出雲の神である。

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』において、国生み、神生みを行うのは伊邪那岐命と伊邪那美命である。 伊邪那美はカグツチを産んで死に、伊邪那岐が黄泉の国を訪問して帰ってきて、橘の小戸の阿波岐原で禊をする…

ヤマトタケルは開化天皇である(43)~ホオリとヒコホホデミ

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp海幸山幸神話の主役の火遠理命(ホオリノミコト)は、『古事記』にでは亦の名を天津日高日子穂穂出見命(アマツヒコヒコホホデミノミコト)という。 神話では、釣り針を巡って兄の火照命と…

ヤマトタケルは開化天皇である(42)~平群志毘と目弱王

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp吉備品遅部雄鮒に該当しそうな人物として、平群志毘が挙げられる。 『古事記』清寧天皇条で、顕宗天皇が即位する前に、菟田首の娘の大魚(おふを)を巡って志毘と争い、顕宗が志毘を殺す。…

ヤマトタケルは開化天皇である(41)~「佐耶岐」と大雀太子

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp『古事記』応神天皇条で、応神天皇が子の大山守命と大雀命(仁徳)に訪ねる場面がある。ここに天皇、大山守命と大雀命に問ひて詔りたまはく、「汝等は、兄の子と弟の子と孰(いづ)れか愛…

ヤマトタケルは開化天皇である(40)~訂正①・石之日売の正体

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jp仁徳天皇の皇后石之日売は、葛城の曽都毘古の娘である。 葛城の曽都毘古は、健内宿禰の子として知られている。 しかし『古事記』孝元天皇の条には、健内宿禰の子として葛城長江曾都毘古と…

ヤマトタケルは開化天皇である(39)~出雲系の男が丹波系の女に殺された可能性について②

印色入日子命(いにしきいりひこのみこと)は『古事記』では、鳥取の河上宮に坐して、横刀壱仟口(たちちふり)を作らしめ、これを石上神宮に納め奉り、すなはちその宮に坐して河上部を定めたまひき。 と書かれている。印色入日子 と石上神宮について、『書…

ヤマトタケルは開化天皇である(38)~出雲系の男が丹波系の女に殺された可能性について①

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jpおそらく出雲系の男が、丹波系の女に殺された可能性がある。 その痕跡も『記紀』には残されている。 有名なのは、ヤマトタケルが童女に変装して、クマソタケルを殺した話だろう。 また安康…

ヤマトタケルは開化天皇である(37)~ニギハヤヒ、ヤソタケル、クマソタケル

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jpニギハヤヒと天火明命は同一だとも、違うとも言われる。 私の見る限り、祖神を天火明命とする氏族が尾張系、つまり丹波系で、ニギハヤヒを祖神とする氏族が物部系、つまり出雲系である。 …

ヤマトタケルは開化天皇である(36)~ヤソタケル、兄磯城、長髄彦

シリーズ第一回目から読みたい方はコチラ↓sakamotoakiraf.hateblo.jpヤマトタケルは開化天皇である(35)~神武東征からワカタケルに迫る① - 「人の言うことを聞くべからず」+で述べたように、『書紀』には磯城のヤソタケルと、赤銅のヤソタケルの二人のヤ…